目次
- 翻訳証明書と公証翻訳(認証)は何が違いますか?
- 公証人は翻訳が正しいかどうかを確認しますか?
- 翻訳の公証(認証)はどのように行われますか?
- どの形式が必要かは誰が決めるのですか?
- 公的書類にはどれほどの情報が含まれていますか
- ご依頼から納品までの流れ
- 公的書類の翻訳料金
- よくあるご質問
- お問い合わせ
戸籍謄本、住民票、卒業証明書、運転免許証、診断書。海外で使うために公的書類の翻訳が必要になったとき、どの形式で提出するかを決めるのは日本の法律ではなく、書類を受け取る側の機関です。翻訳文だけで足りることもあれば、翻訳証明書の添付を求められること、公証役場での認証まで必要なこと、提出先独自の宣誓書式を指定されることもあります。
この記事では、翻訳証明書と公証(認証)の違い、日本での認証手続きの実際、そしてこれほど機微な情報を含む書類をどう扱うべきかをご説明します。
翻訳証明書と公証翻訳(認証)は何が違いますか?
翻訳証明書とは、翻訳者または翻訳会社が「この翻訳は原文に忠実で完全である」と署名・押印して証明する書面です。公的機関は関与しません。当社では翻訳証明書を無料で添付しています。
公証翻訳(認証)は、ここに公証人が加わります。ただし、公証人が翻訳の内容を確認するわけではありません。公証人が証明するのは、本人確認を経た特定の人物が、公証人の面前で宣言書に署名したという事実です。その宣言書には、署名者が両言語に堪能な有資格翻訳者であること、添付の翻訳が原文に忠実であることが記されています。
「公的な翻訳」を求められた場合、多くは前者を指します。後者が必要になる場面は限られており、費用も日数もかかります。どちらが必要かをご依頼前に確認しておくことが、提出時の差し戻しを防ぐ最も確実な方法です。
公証人は翻訳が正しいかどうかを確認しますか?
いいえ。日本の公証人には、書類の内容の真偽や正確性を審査する権限がありません。これは公証翻訳について最も多い誤解です。
日本の公証人が行うのは署名の認証です。具体的には、特定の人物が公証人の面前で私署証書に署名したこと、その署名または押印が真正であることを証明します。公証人の認証印は、翻訳の品質に対する国のお墨付きではありません。宣誓と同等の効力を持つと承知したうえで、身元の明らかな人物が翻訳の正確性を宣言し、そこに署名したという公的な記録です。
公証の意味は、責任の所在が公的に記録される点にあります。翻訳の内容が後に争われたとき、誰がその翻訳を保証したのかが認証済みの記録として残ります。
翻訳の公証(認証)はどのように行われますか?
日本の公証人は、公文書そのものや翻訳文を直接認証することはできません。そのため宣言書を添付し、その署名を認証します。
戸籍謄本、住民票、卒業証明書は公文書であり、公証人にこれを認証する権限はありません。翻訳文単体も同様です。そこで用いられるのが宣言書(Declaration)です。
- 書類一式を準備します。原本(提出先の指定によっては写し)、翻訳文、署名済みの宣言書。この三点を綴じて一体の書類とします。
- 翻訳者が公証役場に出向きます。署名するのは翻訳を担当した本人です。写真付き身分証明書を持参し、公証人の面前で署名します。お客様がご同行いただく必要はありません。当社が代行いたします。
- 認証。公証人が宣言書の署名を認証します。これにより綴じられた書類一式が認証の対象に含まれます。外国語文書の認証手数料は12,500円(非課税)です。
- 返送。完成した書類一式をお手元にお送りします。
宣言書が、公証人が実際に認証の対象とする書面です。翻訳者が署名するのは次の内容です(言語の組み合わせと対象書類に応じて文面を調整します)。
Certificate of Translation (Declaration)
I, [氏名], Representative Director of the translation company ADASTRA Co., Ltd. do hereby solemnly and sincerely declare:
- That I am a qualified translator who is proficient in both the English and Japanese languages
- That the document(s) attached is/are a true and faithful translation from Japanese into English of [原本の名称]
I make this declaration conscientiously believing it to be true and knowing it is of the same pledge and effect as if made under oath.
Date / Signature / Address
アポスティーユとは何ですか?
アポスティーユは、ある国で発行された公文書を、相手国の大使館を経由せずにそのまま使えるようにするための証明です。海外の窓口担当者には、日本の市区町村の公印が本物かどうかを判断する手段がありません。そこで1961年のハーグ条約に加盟した国々は、発行国が出す統一様式の証明を互いに受け入れることに合意しました。日本では外務省が発行します。公証と同じく、証明するのは印章と署名が真正であることだけで、記載内容の真偽や翻訳の正確性は対象外です。有効なのは加盟国同士に限られ、非加盟国向けには駐日大使館での領事認証が必要になります。
提出先によっては、認証に加えてこれらを求められることがあります。アポスティーユおよび領事認証は当社では取り扱っておりません。提出先から求められている場合は、お見積りの際にお知らせください。その後の手続きに進められる形で認証書類をお渡しします。
どの形式が必要かは誰が決めるのですか?
書類を受け取る機関が決めます。その要件がすべてです。翻訳会社が代わりに判断することはできません。確認せずに「これで問題ありません」と言う会社があれば、それは推測です。
要件は国ごと、機関ごとに異なり、同じ組織でも窓口によって異なることがあります。実際に指定されるのは次のいずれかです。
- 翻訳文のみ
- 翻訳会社の署名・押印入り翻訳証明書を添付した翻訳文
- 公証役場で認証を受けた翻訳
- 認証に加えてアポスティーユまたは領事認証
- 提出先が指定する書式・宣誓書
- 提出先指定の翻訳者リストからの選定(この場合、外部の翻訳会社では対応できません)
提出先にご確認いただきたいこと
可能であれば書面でご確認ください。
- 翻訳証明書は必要ですか。
- 公証(認証)は必要ですか。
- 原本、認証済みの写し、通常の写しのいずれが必要ですか。
公的書類にはどれほどの情報が含まれていますか
戸籍謄本は、多くの方が生涯で扱う書類のなかで最も機微な情報を含むものの一つです。無料のオンライン翻訳サービスにアップロードすべきではありません。
戸籍謄本には、本籍地、家族全員の氏名と生年月日、続柄、婚姻、離婚、養子縁組、死亡が記載されています。住民票、課税証明書、診断書、預金取引明細、運転免許証も、一枚で本人確認が完結する情報の集合体です。
これらが必要になるのは、海外での結婚、ビザ申請、相続、海外赴任といった人生の節目です。締め切りに追われ、情報の取り扱いが後回しになりやすい場面でもあります。
取り扱いで問題が起きやすいところ
- 無料の機械翻訳・AIサービス。戸籍謄本を無料サービスに貼り付けることは、ご自身とご家族の個人情報を、利用規約を確認していない第三者にアップロードすることを意味します。
- 削除されない書類。すべてを保管し続ける業者は少なくありません。数年後、一度だけ取引した相手のフォルダに戸籍謄本が残っていることになります。
- 再委託の管理。契約も記録もないまま、フリーランス、さらに校正者へと渡っていく。
- 紙。出力トレイに置かれたまま、あるいは綴じられたまま忘れられる。
アドアストラでの取り扱い
- 書類は自社の機器内に保管します。熊本の事務所内サーバーで保管し、一般向けクラウドサービスには置きません。
- アクセス権は案件ごとに付与します。その案件を担当するスタッフと翻訳者のみがファイルにアクセスできます。
- 6か月で削除します。納品から6か月経過後に削除します。無期限の保管はいたしません。
- ご依頼があればいつでも削除します。それより前の削除をご希望の場合はお申し付けください。削除後にご報告いたします。
- 紙はシュレッダー処理または返却します。お預かりした原本は成果物とともにご返却し、作業用の複写はシュレッダー処理します。
- 配送は追跡できる方法で行います。原本および認証済み書類はレターパックプラスでお送りします。受取時のサインが必要で、追跡が可能です。
- 翻訳者とは秘密保持契約を締結しています。登録翻訳者全員と秘密保持契約を結んでおり、契約外の第三者に書類が渡ることはありません。
他社とご比較の際は、「書類はどこに保管されるか」「誰がアクセスできるか」「いつ削除されるか」「原本はどう返却されるか」をお尋ねください。明確に答えられない業者は、それ自体が答えです。
ご依頼から納品までの流れ
- 書類をお送りいただき、言語をお知らせください。鮮明な写真またはスキャンで結構です。翻訳先の言語、翻訳証明書や公証の要否、ご希望の納期をお知らせください。提出先の国や機関を当社にお伝えいただく必要はありません。要件は提出先にご確認いただき、当社はそれに沿って作成します。
- 氏名・住所の読み方をお伺いすることがあります。日本人の氏名や地名には複数の読み方があり、読み方によって表記が変わります。パスポートやその他の記録と一致するよう、書類中の氏名や住所の読み方をお伺いします。
- お見積り。料金と納品日をご連絡します。
- 翻訳とチェック。翻訳先言語のネイティブが翻訳し、氏名・日付・地名・印章を含めて原文と照合します。公証が必要な場合は、公証役場に持ち込む前に完成した翻訳をお客様にご確認いただきます。一度認証を受けた書類は、手続き全体をやり直さなければ訂正できません。氏名・日付・住所の表記をこの段階でご確認ください。
- 納品。PDFをメールでお送りし、翻訳証明書を無料で添付します。原本および認証済み書類一式は郵送いたします。
公的書類の翻訳料金
| サービス | 料金 |
|---|---|
| 公的書類の翻訳 | 1通 8,000円(税別)/通常3営業日 |
| 翻訳証明書 | 無料 |
| 公証手続き代行 | 1件 7,000円(税別)/約3営業日を要します |
| 公証役場の手数料 | 12,500円(非課税)/公証役場へお支払い |
複数の書類を1回の認証にまとめられる場合があり、その場合は総額を抑えられます。分量の多い書類や専門性の高い書類はページ単位でのお見積りとなることがあり、着手前にお知らせします。
公的書類の翻訳は16言語に対応しています。英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語、ベトナム語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、ロシア語、ウクライナ語、ヘブライ語ほか。約60名の登録翻訳者が対応します。詳しくは公的書類の翻訳・公証のページをご覧ください。
よくあるご質問
自分で翻訳した書類でも受理されますか。
公的な用途では、多くの場合認められません。申請者本人、家族、結果に利害関係のある人物による翻訳を明示的に除外している機関が多く、家族が有資格翻訳者であっても認めない場合があります。求められているのは第三者による翻訳です。
翻訳証明書と公証は同じものですか。
いいえ。翻訳証明書は翻訳会社が発行するもので、公的機関は関与しません。公証は、公証人が宣言書の署名を認証する手続きです。公証のほうが費用も日数もかかります。どちらが必要かは提出先にご確認ください。
公証を受ければ翻訳が正確だと証明されますか。
いいえ。日本の公証人が認証するのは宣言書の署名であり、翻訳の正確性そのものではありません。証明されるのは、身元の明らかな人物が、宣誓と同等の効力を持つと承知したうえで、両言語に堪能な有資格翻訳者であること、翻訳が原文に忠実であることを宣言した、という記録です。
戸籍謄本そのものを公証してもらえますか。
いいえ。戸籍謄本は公文書であり、日本の公証人の認証権限の対象外です。原本、翻訳文、翻訳の忠実性を述べた宣言書を綴じて一体とし、公証人はその宣言書の署名を認証します。
アポスティーユも必要ですか。
提出先が必要と指定した場合のみです。アポスティーユは、書類の印章と署名が真正であることを外務省が証明するもので、ハーグ条約加盟国であれば相手国の大使館を経由せずに受理されます。公証とは別の手続きであり、翻訳の正確性を証明するものではありません。当社では取り扱っておりませんので、提出先に直接ご確認のうえ、必要な場合はお知らせください。
公証の前に翻訳を確認できますか。
はい。公証が必要な場合は、翻訳者が公証役場に持ち込む前に完成した翻訳をお送りしてご確認いただきます。認証後の訂正は手続き全体のやり直しと再度の費用負担が必要になりますので、特に氏名の表記と住所の記載をご確認ください。
公的書類の翻訳にはどれくらいかかりますか。
翻訳証明書付きの翻訳は通常3営業日で仕上がります。公証が必要な場合はさらに約3営業日を要します。翻訳者が公証役場に出向く必要があるためで、お客様がご同行いただく必要はありません。
原本を送る必要はありますか。
提出先によります。翻訳のためであれば鮮明なスキャンや写真で足りることが多く、認証済み書類一式に原本または認証済みの写しを綴じることを求められる場合もあります。代替のきかない書類をお送りになる前にご確認ください。
作業完了後、書類はどうなりますか。
デジタルファイルは事務所内サーバーで案件ごとのアクセス権のもとに保管し、納品から6か月後に削除します。それより早い削除をご希望の場合はいつでもお申し付けください。削除後にご報告いたします。原本は成果物とともにご返却し、作業用の複写はシュレッダー処理します。戸籍謄本をお預けになる前に、どの業者にもこの質問をなさってください。
お問い合わせ
書類をお送りいただき、翻訳先の言語とご希望の納期をお知らせください。料金と納品日をご返信いたします。翻訳証明書や公証が必要とわかっている場合は、あわせてお知らせください。
株式会社アドアストラ
info@adastra.co.jp | 096-321-6115(平日9:00〜17:00)
熊本市中央区九品寺1-16-6
本記事は一般的な手続きの説明であり、法的助言ではありません。提出先への直接のご確認に代わるものではありません。


